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タイムマシンはもちろんSFの世界の話しで実際は実現不可能だ。物理学者の中にはマルチバースとか量子論の多世界解釈によるパラレルワールドの存在を提唱する者がいるが、マルチバースにしろ、パラレルワールドにしろ行くことも帰ってくることもできない。また、その世界は物理法則こそ私たちの世界と同じだが地球が存在する保証はない。 それでもタイムマシンは想像を逞しくしてくれ、いつの時代でもファンタジーの主題になる。ところで、貴方はタイムマシンがあったらいつの時代に行きたいだろうか。 私は未来がどうなっているか見たい気がする。火星に人類は到達しているだろうか。人間を超えるAIやロボットは実現しているだろうか。地球温暖化は解決しているだろうか。近未来に行って確認してみたいと思う。だが、未来に行くことにはいささか困った問題がある。私は現在古希だが50年後の未来では当然この世にはいない。50年後に行ったとすると、自分が死んだ日が分かる。それがタイムマシンで出発した日から25年後だったとすると、まだ25年生きられるとほっとするだろう。だが、出発した日の翌日、何らかの病気で急死したことが分かったとしたらどうだろう。パニックになるに違いない。少なくとも現代に戻る気は失う。だが病気で死んだとすると50年後の未来でも翌日死ぬ可能性が極めて高い。病院に駆け込み助けを求めても相手にされない。そもそもその時代用の保険証がない。過去からやってきたことが分かれば警察に連行され取り調べ中に急死することになる。意に反して二度死ぬ男になってしまう。こう考えると未来に行くことは憚れる。たとえ25年間生きられるとしても自分の死ぬ日が分かるのはぞっとしない。遥か未来、たとえば1万年後ならば、おそらく自分の記録などどこかにいってしまっているだろうから自分の死ぬ日が判明することはない。だが、1万年後には人類が滅亡している可能性がある。人類が滅亡した後の世界に行っても面白くも何ともない。それに巨大生物に追い掛け回される恐れが強い。 歴史の謎の探究に過去に行く方が良さそうだ。戦国時代、本能寺の変が起きた時代と場所に行くと面白い。明智光秀にインタビューして本能寺の変の真相を知ることができる。だが、そこは武器をもった屈強の強者揃いの世界。インタビューどころか殺害される危険性が高い。殺されてもタイムマシンで現代に戻れば生き返るのであればよいが保証はないし、そもそも死んだらタイムマシンを操作できない。それゆえ行くなら安全な時代がよいが、現代より安全な時代などない。明治維新前はもちろん、明治、大正、戦前、日本国内では暗殺が横行していた。日本だけではなく世界中が同じだった。 どうやら、タイムマシンが出来ても行くことにメリットがある時代はありそうもない。今、生きていることに感謝したい。 了
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